石川県
令和6年能登半島地震アーカイブ 震災の記憶 復興の記録

初動対応と検証

INITIAL RESPONSE AND VERIFICATION

国への要望により改善された
主な制度・運用等

番号 制度名等 制度等の概要 要望先
1 2次避難に宿泊施設を供与した場合の基準額の引き上げ
  • 災害救助法では一人1泊あたり7,000円を上限とされていたが、石川県の宿泊施設は高単価の温泉旅館が多く、避難所となる宿泊施設の確保に苦慮したことから、国に対して基準額の引き上げを要請(結果的に1万円に引き上げ)
  • 宿泊施設の中にもホテルや旅館の他に、民宿や民泊など様々であり、また、宿泊料金も施設のグレードによって様々であることから、基準額についても受入施設ごとに柔軟に設定できることが望ましい
内閣府(防災)
2 避難先の介護保険施設等の使用料(室料)、避難者に対する食事・水等に対する支援
  • 介助が必要な高齢者等が、福祉避難所である介護保険施設等に避難した場合の室料、食事・水等について、災害救助法に基づき支援(熊本地震等過去の災害では災害救助費による支援なし)
3 「福祉サービスの提供」の災害救助法等への明記
  • 災害救助法の「救助の種類」に「福祉サービスの提供」を明記
内閣府(防災)
厚生労働省
4 保育所等への心理士等の派遣
  • 保育施設へ通う被災児童の心のケアを行うために、既存の国庫補助事業(若手保育士や保育事業者等への巡回支援事業)が活用できる旨の通知を発出
こども家庭庁
5 児童福祉施設等災害復旧費国庫補助金
  • 被災した児童福祉施設等における災害復旧費に対する補助金
  • 被災施設の事務負担軽減のため、実地調査に代え、机上調査を実施する要件の緩和
6 児童福祉施設等災害復旧費国庫補助金
  • 被災した児童福祉施設等における災害復旧費に対する補助金
  • 幼保連携型認定こども園及び幼稚園型認定こども園の「学校教育部分」の補助率を「保育園部分」と同程度まで引き上げ(国7/12→2/3)
7 公立保育所等の保育士等による被災地の保育所等への派遣
  • 被災により保育士不足が懸念されたことから、全国の公立保育所の保育士の応援派遣の仕組みが創設※派遣実績なし
8 公費解体における要件の明確化、法務局の職権による滅失登記の実施
  • 建物の解体にあたり、所有者全員の同意が要件となる中、公費解体の加速化を図るため、所有者全員の同意がなくても解体可能な要件の通知
  • 建物がなくなったことを示す「滅失登記」を法務省が職権により公費解体前に実施(令和6年5月28日事務連絡)
環境省
法務省
9 地域福祉推進支援臨時特例交付金
  • 被災者の住宅再建に向け、新たに創設された給付金制度
  • 被災規模の大きい能登6市町において、半壊以上の住宅被害が出た高齢者や障害者のいる世帯等を対象に最大300万円を支給
  • 制度趣旨を踏まえた給付金の差押禁止に係る法律の施行
  • 仮設住宅等に入居している被災者の孤立防止や健康維持を図るため、市町やNPOなどと連携し、被災者が定期的に家から出る機会を創出し、住民同士が顔を合わせ、地域のつながり(コミュニティ)を深める活動を支援
厚生労働省
10 自宅再建利子助成事業給付金
  • 県復興基金を財源として実施する左記給付金について、法律および省令で差し押さえ禁止を規定
11 国に対して公的医療機関からの応援看護師の派遣を要請
  • 災害支援ナースの派遣に加え、被災地の医療機関の看護師不足に対応するため、国と調整のうえ、全国の公的医療機関に応援看護師の派遣を要請し、奥能登4病院に応援看護師を派遣
12 社会福祉施設等への応援職員の派遣
  • 社会福祉施設の介護職員等の不足に対応するため、全国の社会福祉施設等から県内の社会福祉施設等に応援職員を派遣
13 地域コミュニティ拠点(サポート拠点)の整備・運営に対する支援
  • 仮設住宅の高齢者等に対するデイサービスや総合相談支援等を包括的に提供する地域コミュニティ拠点(サポート拠点)の整備・運営を、予備費で措置(国10/10)
14 社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金
  • 被災した社会福祉施設等における災害復旧費に対する補助金
  • 被災施設の事務負担軽減のため、実地調査に代え、机上調査を実施する要件の緩和
15 介護サービス利用料の免除にかかる国財政支援の拡充
  • 利用料の免除措置にかかる公費負担分(減免額の50%(国25%、県12.5%、市町12.5%))の市町負担分について財政支援(熊本地震等過去の災害では支援対象外)
    ※なお、豪雨との複合災害であることを踏まえた拡充措置
16 雇用調整助成金(能登半島地震豪雨・半島過疎臨時特例)・産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)
  • 雇用調整助成金(能登半島地震豪雨・半島過疎臨時特例)は、地震及び豪雨により休業を余儀なくされており、出向の推進に取り組む宝達志水町以北の事業者を対象とし、労働者の休業手当の一部を助成する制度
  • 産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)は出向元・出向先事業主双方の賃金負担を助成し出向を促す制度
  • 令和6年末を期限に実施されていた雇用調整助成金(能登半島地震特例)の延長を要望したところ、両助成金の特例措置が措置されたもの
17 地域雇用開発助成金(能登半島地震特例)
  • 被災地域の雇用維持・確保のため、要望に基づき、昨年7月に創設された特例制度
  • 従業員宿舎の新設・購入等対象費用の範囲拡大や、設置・整備費用、対象労働者数の要件の緩和
18 農地利用における地域計画の策定に対する配慮について
  • 令和7年3月までの策定が求められている「地域計画」について、被災市町を対象として、策定遅延による不利益が生じないよう、当面の間、「人・農地プラン」を代替とすることを認める運用となった
農林水産省
19 農業機械再取得等支援事業(国事業名:農地利用効率化等支援交付金(被災農業者支援タイプ))
  • 被災した農業者に対し、農畜産物の生産に必要な施設や機械等の復旧等を緊急的に支援し、農業経営の維持を図る補助事業制度(国1/2以内、県2/10以内、市町2/10以内)
  • 事業申請者が所有者に限られていたが親族等からの申請も可能となった
20 中山間地域等直接支払交付金(輪島市、能登町から国へ要望)
  • 対策期間内での復旧を条件に交付対象としている「自然災害を受けている農用地」について、協定に責のない事由により対策期間中に復旧が行われなかった場合の遡及返還を免除
  • 自然災害地の復旧が行われなかった場合の、その他協定農用地に係る連座制の廃止
21 被災林業者支援
  • 被災した林業者の他地域で生業を継続するために必要となる研修や林業機械のレンタルを支援する補助メニューが創設
林野庁
22 共同利用施設の集約に伴う解体
  • 被災した共同利用施設の機能集約・再建を行うにあたり、不要となった施設の解体費が補助対象として認められた
水産庁
23 災害復旧工事における柔軟な原形復旧の考え方
  • 漁港の災害復旧工事における「原形復旧」の考え方について、「文字通り従前と同じ」ではなく、「従前の機能を有すること」と、地盤隆起や地盤沈下などの大きな被害に対応できるよう、柔軟な考え方が取り入れられた
24 なりわい再建支援補助金
  • 被害を受けた事業者の工場・店舗などの施設、生産機械などの設備の復旧費用を助成する補助制度
  • 被災事業者からの要望を踏まえ、以下のとおり運用の改善及び要件の緩和を実施
    1. ①申請書類が多いとの声を受け、申請に必要とされてきた書類の一部(法人の登記簿謄本や決算書類等)の提出を不要とし、手続きを簡素化
    2. ②補助金申請時に、2者以上の見積もり取得を求めているが、工事業者の不足・ひっ迫している状況を鑑み、2者以上の見積もり取得が困難な場合に、理由書の提出をもって、1者の見積もりによる申請を認めるよう柔軟に対応
    3. ③地震前の姿に戻す「原状復旧」が当補助金の目的であることから、建物の被災判定が大規模半壊未満の場合、建替は認められず、修繕する場合のみ補助対象と定められていたが、大規模半壊未満であっても建替て事業再建したいというニーズを踏まえ、大規模半壊未満の場合に修繕費用を上限として、施設の建替を認めるよう制度を柔軟化
中小企業庁
25 被災事業者向け県融資制度の利用者負担軽減
  1. ①国の財政措置により保証料を抑えたコロナ借換向け信用保証制度である「伴走支援型特別保証制度」について、被災者向けの県融資制度にも拡大適用。また同制度の全国的な終了(R6.6末)後も石川県で継続し、融資を利用する被災事業者の負担を軽減
  2. ②事業者が生業再建のために利用した融資に対する利子補給制度「なりわい再建資金利子補給事業」について、償還払い方式から現物支給方式に変更
    (【従前:償還払い方式】=事業者が借入利子を一旦支払った後にキャッシュバック。
    【変更後:現物支給】=借入利子分を金融機関へ直接補助し、事業者は最初から利払いが不要)
また②の制度の範囲についても、事業者が負担する利子分に加え、県が融資利率を引き下げるために負担する費用についても国が補助
26 上水道施設の災害復旧に係る国庫補助申請の事務手続きの簡素化
  • 令和6年5月21日事務連絡により、手続きは一定程度簡素化(設計図書の簡素化、リモート査定の活用等)
国土交通省
27 水道事業者のリスト化
  • 宅内配管の修繕について、対応可能な業者を被災者が探し出すことが困難な状況であったことから、国土交通省に依頼したところ、宅内配管の修繕対応が可能な県内外の業者の情報を調査していただき、そのリストを県及び各市町に提供
28 災害査定の実施
  • 公共土木施設・農林水産施設の復旧に必要な、災害査定の効率化を図るため、手続きや審査の簡素化を要望したところ、
    1. ①書類のみで査定を行う、机上査定の上限額を引き上げ
      (通常1千万円⇒最大1億4千万円)
    2. ②現地で査定決定ができる、採択保留額の引き上げ
      (当初4億円⇒最大25億円)
    3. ③地震・大雨災害の一体的な査定の実施
      などが図られ、従来よりも大幅に緩和措置が図られた
国土交通省
農林水産省
29 復興公営住宅(災害公営住宅)整備にあたっての補助制度拡充
  • 市町の災害公営住宅整備による負担を軽減するため、財政支援の拡充を要望したところ、
    1. ①建設費の高騰に合わせた補助限度額の見直し
    2. ②新たに、敷地整備を補助対象とする
    3. ③用地取得を伴う場合に、家賃低廉化補助を10年→20年に延長
    が盛り込まれた
30 大雨に係る災害等廃棄物処理事業の取扱
  • 特定非常災害に該当しない奥能登豪雨で被災した半壊家屋についても、災害等廃棄物処理事業補助金の対象となるよう要望したところ、特例的に補助対象に追加(令和6年10月8日事務連絡)
環境省
31 公費解体・撤去を行うための宿泊費を補助対象
  • 解体作業員の宿泊費についても、災害等廃棄物処理事業補助金の対象となるよう要望したところ、補助対象に追加(令和6年6月12日事務連絡)
32 所有者不明建物管理制度の活用
  • 所有者不明建物管理制度の活用方法についてとりまとめを環境省に要望したところ、公費解体・撤去マニュアル(環境省)に追加(令和6年4月15日)
33 自費解体の手引きの作成
  • 自費解体の活用方法についてとりまとめを環境省に要望したところ、環境省が「自費解体の手引き」を作成し、公表(令和6年8月26日)